毛じらみ症
ケジラミ(Phthirus pubis)が主に陰毛に感染することによっておこる病気です。
ひとに寄生するシラミは、アタマジラミ、とコロモジラミが他にありますが、これらのシラミは基本的に陰部に長期の感染はおこしません。
ケジラミは人のみに寄生し、卵から孵化して幼虫になると早速吸血を開始します。
血液を吸って成長し、脱皮を繰り返して成虫となり、毛の根元の近くに産卵します。卵は白〜半透明のセメンダインが固まったようなもので毛に固定され、約1週間で孵化するのです。だいたいケジラミの一生は3,4週間といわれています。
ケジラミはもともと白に近い色なのですが、吸血した血液が透けるため、茶色〜黒っぽい色をしています。大きさは1,2mmで、小さなカニのような格好をしています。
寄生する場所は、陰毛以外に、頭毛、腋毛、胸毛、大腿毛、肛門周囲毛、他眉毛や鬚毛、睫毛などに寄生することもあります。症状としては、かゆみ、が主です。(ただし、たまにかなり大量に寄生されていてもほとんど症状がなく、下着などに多量に虫体が付着しているのを発見して気づくこともあります。)
感染経路はセックス以外に、タオルや寝具などがあります。
ケジラミは、ヒトから離れると、48時間しか生きておれず、あまり自分で移動できません。1日の移動可能な距離は10センチくらいともいわれています。
診断は、虫体や卵を視診で発見することです。
治療法で、一番確実で早いのは、寄生部位の毛を根元から剃ってしまうことです。
ケジラミは普段毛の根元につかまって寄生しているので、その根元のつかまるところをなくしてやれば、それ以上寄生することはできません。
また、市販の薬しかありませんが、スミスリンという薬をシャンプーやパウダーとして使うことです。
ただしこれらの薬は、孵化したあとの虫には効果がありますが、卵には効果がやや低いので、数日おきくらいに数回治療をくりかえさないといけません。
また、感染してから約1,2ヶ月たって症状がでることが多いので、その間に家族内で感染していることが多いため、家族全員(もちろんセックスパートナーもです)での治療を必要とします。